ロートアイアンとロートアルミの違いは、ずばり鉄で製作するかアルミで製作するかの違いです。
製品の見た目に大きな違いはなく、鉄で製作するヨーロッパの伝統工芸と言われるロートアイアンに比べアルミで製作したロートアルミも遜色ない風格があります。では、見た目に差がないとしたら、鋼材が変わることで製品にはどのような違いがあるのでしょうか。
アルミと鉄の比較をまとめてみました。
▲:メリット、▼:デメリット
ロートアイアン | ロートアルミ | |
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重さ | アイアン > アルミ (1/3) | |
▲:重厚感がある | ▲:面格子やキャノピーなど、外壁への負担が少ない。 | |
価格 | アイアン < アルミ (1.2倍) | |
▼:防錆処理のメッキをするとアルミより高価になる | - | |
強度 | アイアン > アルミ | |
▲:防犯性が高い、手摺等安全性が高い | - | |
メンテナンス性 | アイアン < アルミ | |
▼:赤錆が発生したら、こまめにタッチアップ塗装が必要 | - |
ロートアイアンとロートアルミで大きな違いは、「赤錆」が出るかでないかです。
赤錆が発生するとすぐに強度が落ちるわけではありませんが、錆をそのまま放置しておくと鉄の劣化を早めてしまいます。ですので、赤錆が出たらこまめな錆落としと塗装が必要です。赤錆を、経年変化としてメンテナンスを楽しむものと捉えていただけると、ロートアイアンには愛着が湧いてきます。ヨーロッパには、何度もペンキを塗り重ねた厚塗り塗装のフェンスがたくさんあります。それらには、鉄を育てた風格があります。
とはいえ、最近の住宅は、外壁も汚れにくく劣化に強い建材がたくさんあります。その中で、ロートアイアンだけ錆が早期に出てしまうと、一つの製品だけ突出して劣化したような違和感を感じます。また、赤錆は、雨に流された跡が乾くと壁や床を汚してしまい、白い壁や白いタイルですと落とすのにも苦労してしまいます。
そこで、赤錆が出ないロートアルミが、屋外製品では主流になってきました。
■ロートアルミが適している製品
門扉・フェンス・屋外手摺・キャノピー・面格子
■ロートアイアンが適している製品
室内手摺・室内スクリーン
アルミとアイアンの見た目の違いも多少ありますので、ご紹介します。
下の写真は、門扉のフレームや縦格子に使用するアルミとアイアンの角パイプ材です。
アルミは角が尖っていて、アイアンは丸みがあります。
近くで見ると違いがよくわかりますが、門扉のように大きい製品になると、この差があまり感じられなくなります。
仕上げは、どちらも同じ艶消し黒塗装です。
アルミもアイアンも表面の保護と美観のために必ず塗装しますので、仕上がりの質感はどちらも同じになります。
塗装は、黒以外にも緑など特注色も選ぶことができます。